シャレではない【ミナミの帝王】から学ぶ

『ミナミの帝王』に見る貸金業の本質

今回のテーマは「貸金業の本質」です。

現金を必要とする人がお金を借りるために利用する消費者金融などが行う事業を貸金業といいます。
貸金業者は利用者に現金を貸し、元金に利子を含めた金額のお金を返済してもらうことで利益を生み出しています。
一方、貸金業者を利用する人はそのお金を自分の生活に役立てます。

ところで、「こんな説明文を読んだところで本質はよくわからん」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そのような方でも実感をもって本質をつかむことができる、そんなマンガ作品が存在しています。 1992年に週刊マンガ雑誌に連載を開始し、2016年現在も人気作品として続いている『ミナミの帝王』です。
Vシネマ、劇場用映画、テレビドラマにもなって人気を博しています。

この作品の主人公は、大阪・ミナミに事務所を構える萬田銀次郎

利用者には審査なし、トイチの金利で現金を用意し、返済が滞ったり借り逃げしたりしようとすればきつい取り立てを行うという業者です。

「トイチの金利」とは、10日で1割の利子が発生するということです。
たとえば萬田さんに10,000円借りたとすると、10日後の返済額は1割分の1,000円をプラスした11,000円になっています。

じゃあ20日後に返す場合は12,000円かというとそうではなく、萬田さんの場合は10日目に返せなかった11,000円をもとにトイチの利子をつけるので、20日目の時点で利子は1,100円。

返済額は合計で12,100円となります。

返せないまま20日、1ヶ月、2ヶ月と過ぎていくと、どんどん利子が膨れ上がっていく計算です。

日本の貸金業法では、もちろんこのような暴利(無理な金利)をつけることは許されていません。
たとえば貸金業法では、10万円以下の場合は「1年間で2割まで」というのが付けられる利子の上限と定められています。
萬田さんは正式な貸金業の免許を持っていない「闇金」の業者です。
つまり、正規の貸金業者ではないのです。

そんな闇金業者を主人公とするマンガからなぜ「貸金業の本質」がつかめるのかというと、この作品が極端で刺激的な舞台設定のもとで、カネと人情の物語をエンターテインメントとして語りながら、利用者が最終的には再生していく様子を描いているからです。

基本的には、『ミナミの帝王』という作品の根底には「勧善懲悪」というテーマがあり、正直者は救われるストーリーになっています。ある切実な事情を抱えたマジメな利用者がお金を借り、そのお金をもとに生活を立て直していく様子が、毎回描かれています。

読者はドラマチックなストーリーや、本質的には正義の人である萬田銀次郎の男気あふれる活躍を楽しみながら、「人が業者からお金を借りること」を理解することができるのです。

「お金について考えてみたい」「お金を借りる前に、自分が何をしようとしているのか知りたい」という方は、目を通してみてはいかがでしょうか。

闇金の意義と、隙を見せれば即、回収の銀行